脊髄損傷の後遺障害の認定基準とはどのようなものか?

■後遺障害の認定基準とは?

後遺障害を認定する損害保険料率算出機構は「自動車損害賠償責任保険損害調査関係規定集」に認定実務の内容を定めていますが、内容は非公表です。

遺障害認定の基準がどのようなものかを知るには、基本的の自賠責と同じ認定基準を採用している労災保険が参考になります。

労災の認定基準は「労災補償障害認定必携」など出版物もあるので誰でも入手できます。

 

■労災保険における後遺障害の認定基準(4要件)

下記の4つ要素があります。どれか一つ欠けても後遺障害に認定されません。

◇傷害がなおったとき(症状固定時)に残存する当該傷害と相当因果関係があり

◇将来においても回復困難と見込まれる精神的または身体的な毀損(きそん)状態で

◇その存在が医学的に認められ

◇労働能力の喪失を伴うもの

 

※「傷害がなおったとき」というのは、完全に治癒した状態を指すのではなく、これ以上治療を継続しても効果が期待できないいわゆる症状固定に達したときのことを表します。

 

■後遺障害が2つ以上ある場合

交通事故で脊髄損傷になった方が、同時に2か所以上に後遺障害が現れた場合の取り扱いは以下の通りです。

別表第二5級以上の後遺障害が2つ以上残存:重い方の等級を3つ繰り上げる

別表第二8級以上の後遺障害が2つ以上残存 : 重い方の等級を2つ繰り上げる

別表第二13級以上の後遺障害が2つ以上残存:重い方の等級を1つ繰り上げる 

これ以外の場合は、最も重い障害等級を適用します。

 

後遺障害等級は1級から14級まであり、1級が一番重く14級が一番軽いと言うことになります。

 

もし、4級と5級の障害が同時に認められた場合は、前述の「別表第二5級以上の後遺障害が2つ以上残存 : 重い方の等級を3つ繰り上げる」に該当するので、4級が3つ繰り上げられて1級扱いとなります。

また、5級と7級の障害が同時に認められた場合は、「別表第二8級以上の後遺障害が2つ以上残存 : 重い方の等級を2つ繰り上げる」に該当するため、5級が2つ繰り上がり3級となります。

 

後遺障害等級でなぜこれほど複雑な方法がとられるかと言うと、後遺障害の認定は体の各部位に分かれて認定されるからです。

眼・耳・鼻・口・上肢・下肢・神経系統など10の部類に区分され、さらに眼などは「眼球の視力障害・調節機能障害・運動障害・視野障害、右まぶたの欠損、左まぶたの欠損」と、6種の系統に分類されるため、全体では35もの系統があります。

 

そのため、最大35の後遺障害の認定があることになるのですが、さらに歯や下肢の短縮などには別の適用があったりするため、複雑なものになっています。

しかも、両足に障害が残った場合には、右足と左足は別の系統となるため別々の認定となるので、前期の障害等級の繰り上げがありますが、右足だけに複数の障害がある場合には重い方の等級で認定されるなど、一般人には分かりにくいと言えます。

 

そのため、「体のあちこちに障害が残ったのに、障害認定が6級どまりだった。」と言うこともあります。

後遺障害認定は意義の申し立ても出来ますので、「後遺症認定だけど、6級で妥当なんだろうか?」「日常生活にかなり支障があるのに、認定された後遺障害の等級は軽すぎるんじゃないだろうか?」と言う場合には、弁護士に一度相談してみると良いでしょう。

お困りの際は香川・高松の弁護士にご相談ください。

 

 

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