交通事故による脊髄損傷 体験談

脊髄損傷の後遺症

 

脊髄が損傷されると、その障害された部位より下へ脳からの指令が伝わらなくなり、また下からの信号が脳へ伝わらなくなります。
そのため運動麻痺、感覚障害、自律神経障害、排尿障害、排便障害などのさまざまな障害が生じます。

脊髄は脳と同様に中枢神経に分類され、成人の場合、神経細胞が一度損傷されるとその再生は困難であり、いわゆる後遺症がその障害の程度により残ります。

 

麻痺の分類

「完全型」(完全麻痺)・・・脊髄が横に断裂し、神経伝達機能が完全に絶たれた状態です。
運動と感覚の両方が損なわれます。
「不完全型」(不全麻痺)・・・脊髄の一部だけ損傷や圧迫などを受け、一部の機能が残存する状態です。
例えば、運動はできないが感覚は残る、などです。

脊髄損傷のうち4分の3は頚髄損傷です。
頚髄損傷では不全麻痺が多く、そのうちの約7割が不全損傷です。

 

知覚麻痺

脊髄損傷になると、受傷した髄節以下の皮膚面に明確な知覚麻痺が起こります。
感覚が麻痺すると、痛みを感じないため身体の異常を発見するのが遅れて、骨折や盲腸炎、褥瘡(床ずれ)などの発生に気付かないことがあります。

特に、やけどについては神経質な注意が必要です。
ストーブや焚き火で知らないうちにやけどする例や、電気毛布などで低温やけどになることがあります。
いずれも発見が遅れて重傷になりやすいため、注意が必要です。

 

運動麻痺

基本的にマヒした筋肉を鍛えることはできません。
しかし、残存している筋肉が衰えないように適度の筋力強化を行うことや、マヒに関わらず全身の関節等の可動域を保持するストレッチは非常に大切で、習慣化の必要があります。
健在な筋力が低下してしまうとその回復が困難になるので早期の筋力訓練が重要です。

 

尿路障害

脊髄損傷に伴い、最初はすべて尿閉となり、尿を排泄できなくなります。
そのために留置式カテーテルや間欠的導尿により尿の排泄を確保します。

通常、膀胱に尿がたまるとそれが刺激になって膀胱が反射性の排尿を行います。
排尿中枢や、それより下位を損傷すると、膀胱が弛緩して、尿が多量にたまるようになりますが、収縮力が弱くて十分に排尿できません。
尿漏れや失禁のある場合には、膀胱の収縮を抑える薬(抗コリン薬)を用いることでかなりの改善が得られます。

 

腸管障害

初期は腸管の麻痺によりガスがたまって腸閉塞状態になり、水分吸収機能が低下して下痢便状態になります。
その後、大抵の場合は便秘傾向になりますが、多くは自律的に腸管が働くため、排便を習慣化できれば意外と管理が楽になります。
高位胸髄損傷では、自律神経の過反射により腸管が緊張状態になって、便秘より重篤の滞留便になりやすいので、便をやわらかくするために食事内容等への注意が欠かせません。

いずれの場合も、脊髄損傷によって自然な排便は期待できないので、緩下剤、発泡座薬、浣腸、洗腸などを利用することになります。

 

自律神経機能障害

受傷によって、脊髄に平行して密接に連携している自律神経系も影響を受け、機能低下します。
その結果、新陳代謝が不活発となって傷が治りにくくなるなどの症状が出ます。
また、身体や機能に負担がかかると、自律神経過反射という異常な身体反応が突然起こることもあります。
高血圧や除脈・発汗・鼻づまりなどがあげられますが、症状によっては生命の危険をともなうこともあり、原因や治療法を知っておくことが重要です。

 

体温調節機能障害

高位胸髄・頚髄の損傷では、汗をかく機能が低下・消失します。
汗をかけない場合、霧吹きで顔や手足に霧を吹きかけて汗の代わりにしたり、アルコール清拭で体温を下げたりしなければなりません。
なお、霧吹きや清拭には冷たい水が効果的です。

また、季節の変わり目や急激な気温の変化にも体温調整がついていきません。
寝冷えにも注意が必要です。


後遺症の治療

脊髄損傷により後遺症が出るのは、脳からの電気信号と各器官の電気信号が行き来している神経が断裂もしくは圧迫されていることが原因です。

簡単に説明すると、脳が「指を動かせ」と言う命令を、神経を通って指に伝えています。
反対に指先が「氷を触っていて冷たい」と言う感覚を、神経を通って脳に伝えています。
神経が断裂してしまうと、いくら脳が命令をしたり指先が感覚を伝えたりしようとしても、伝えるための道である神経が途切れているため、出来なくなってしまいます。
また、圧迫されていたり部分断裂であると、命令や情報の一部しか届かなくなってしまうため、身体が動かしにくく感覚が鈍くなってしまうのです。

神経が圧迫されていることによる後遺症であれば、神経を圧迫している骨や骨髄を取り除く解放手術が取られます。
しかし、神経が断裂している場合には、地道なリハビリと言った手法がとられます。

 

後遺症の回復

脊髄損傷による後遺症の回復は非常に難しく、ほとんどは現状維持か、加齢に伴い徐々に悪くなっていくことが多いです。
遺症の特効薬と言うものはなく、手術による回復手術などもありますが、多くはリハビリが中心となります。

神経は全く回復しないと言うわけではなく、自己治癒や外部からの刺激で改善することがあります。
完全断裂していた神経が少しずつですがつながってきたり、部分断裂して繋がっている神経が太く強くなっていたり、新たに神経の線が出来ていたりと、可能性がゼロと言うわけではないのです。

反対に言えば、リハビリをしなければ現状維持どころか、徐々に悪化していきますので、1日30分でもリハビリする時間をつくったり、理学療法士による訪問サービスでリハビリを行ったりするように心がけましょう。

交通事故の後遺症でお悩みの方は香川・高松の弁護士にご相談ください。

 

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後遺障害の等級はどうやって決まる?

 

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